こんにちは、旅ブロガーのeriです。
本の良いところは、ページを開けばいつでも本の世界に入り込めるところですよね。
今回は、バリ島の空気や雰囲気を感じられる本を3つご紹介します!
旅に出る前も、旅から戻ってきた後も、はたまた旅に出られない時も、いつでもどこでもページを開けばそこはバリ島です。
バリ島旅行のお供に、帰ってきてまだ現実逃避したい時に、バリ島の空気を感じたい時にぜひぜひ読んでみてください♪
マリカのソファー/バリ夢日記 世界の旅1 吉本ばなな著
マリカのソファーという小説と、バリ夢日記という著者のバリ島エッセイの2本立てになっている一冊です。
マリカのソファーは、多重人格を持つマリカ(それには辛すぎる幼少期があるのですが・・・)と、ジュンコ先生(マリカがなぜかとても懐いている女性)がバリ島に行くことで大きな転換期を迎えます。
一番印象に残った文章がこちら。
ここには何か違う空気がある。むきだしの本物の真実の自分以外はひねりつぶされてしまうような、強く光るものがある。
マリカのソファー/吉本ばなな
もうこの文章にバリの凄さがあふれていますよね。やはり「神々の住む島」だからでしょうか。見えない何かがたくさんいる感じ。
バリ島の強くて不思議な力(一人の人間が生まれ変わるぐらいの!)を感じずにはいられない、悲しくもありながら温かい物語です。原マスミさんの、力強く色鮮やかな挿絵とともにお楽しみください。
バリ夢日記は、打って変わって面白エピソード満載のバリ島エッセイです。
登場人物のそれぞれのキャラが強い(笑)し、大の大人が本当に自由にのびのびとしていて楽しそう。
あと、ばななさんの見る夢がどれもバリに在るものと繋がっているのがすごい。(しかもそれと知らずに、あとでその存在を知って驚くパターン)
全体的にあんまりにも楽しそうで、そしてバリには人を開放する力があるなぁと思って、またバリ島に行きたくなりました。
※ちなみに偶然なのですが、この小説・エッセイに登場するクタの「ナトゥール・クタ・ビーチ」というホテルは、私たちがバリ島旅行で滞在したホテル「トゥルントゥム クタ」の前身でした・・・!
サーカスナイト よしもとばなな著
物語はバリで育ち、今は日本にいるさやかのもとに一通の手紙が届くところから始まります。
さやかは庭を掘らせてほしいという奇妙な依頼文とその依頼主に驚き、そこから過去の悲惨な思い出やさまざまな出来事に繋がっていき・・・。
さまざまな出来事があった後にバリを再訪するのですが、そこで登場人物たちの心や体は癒されていきます。
揚げたテンペや、辛いインゲンの炒め、サンバルソースや、みちるの大好物の揚げ鶏、アヤムゴレン。細長いお米をたくさん添えて、ビンタンビールと甘いジュースで、夜の薄暗い中、みんなで小さいプールとその向こうに漆黒の気配で広がる渓谷を見ながら食べた。
サーカスナイト/よしもとばなな
この文章を読むと、そりゃ癒されないわけないわなと思ってしまう。バリには、考えることをやめざるを得ない食べ物と空気がある。キンキンに冷えたビンタンビールと甘くて辛い食べ物たち。
ウブドにある有名なお店やカフェが出てくるので、そちらもあわせてお楽しみください。
ちなみに、小説に登場する「丸さん」という方は「バリ島のアニキ」として有名な丸尾孝俊さんがモデルです。(映画『神様はバリにいる』のモデル)
sawa sawa 写真:高橋ヨーコ 小説:中川真
写真家の高橋ヨーコさんが写真を撮り、音楽学者の中川真さんが小説を書かれています。
sawa sawaというタイトルは「サワサワ」という棚田が風にさわぐ音だそう。テーマが「音」というのもおもしろいですね。
もともと高橋ヨーコさんの写真が大好きで惹かれた本なのですが、やはりさすが高橋ヨーコ、バリの日常を感じられる生き生きとした写真ばかりです。ガムランの音や人々の祈りが聞こえてきそう。
そして中川真さんの小説は、バリの神々に畏怖の念を感じられずにはいられない物語です。まるで本当にあった出来事を読んでいるような感じで、妙なリアルさを帯びている。
「音」をテーマにした小説だけあって、凧の立てる音や鳩に付けた笛が鳴る音など、バリの人が「耳の楽しみ」のために作った色々な音が印象的でした。
読んでいると、自分もバリの圧倒的な自然の中にいて色々な音を聴いている、そんな感じがします。
本当に絶妙なコラボレーションだと思いました。小説を読んだ後にまた写真を見ると、写真に小説の世界が重なって色々な音が聞こえてきそうです。
こちらの映画もおすすめ
よしもとばななさんの小説「サーカスナイト」にも出てくる、丸さんこと丸尾孝俊さんがモデルの映画です。
バリ島の大富豪として有名な方で、そんなアニキの教えがつまった笑って泣ける映画。
生きるうえで大切なことを教えてくれて、よし!また頑張ろうと励まされます。
何より、コッテコテの関西弁の堤真一が面白いです(笑)
うまくいかなくて落ち込んでいる方にホントおすすめ!ぜひ観てみてください。
まとめ
読んでいると、バリの風景が浮かんできてバリに行ったような気分に浸れる本をご紹介しました。
バリに行く前に読むとバリの雰囲気をつかめるし、バリに行った後に読むとバリの風景を思い浮かべて旅の余韻に浸れると思います。
もちろん行けないときは、本で旅気分を味わいましょう!
興味がある方は、作品中に登場するお店もぜひチェックしてみてくださいね。(※もう無いお店もあるので、訪れる際には事前リサーチをしてからがおすすめ)